セキュリティ業界に転身するための方法 — パーツ2:志向を高める
志向を高める
セキュリティ業界に限らず、他業界への転身は苦しいです。
現職を続けると並行して、 将に新しい世界に飛び込んで「なにを勉強すればいい?」、「なにが大切?」、「どのレベルまで学べればいい?」等々、 盛沢山の質問が思い浮かぶでしょう(思い浮かぶはず)。
僕も、マーケティングからセキュリティ業界に転職することを決心したときに、 「セキュリティとは」や「セキュリティの仕事」のような感覚の質問を手当り次第検索しまくり、 試行錯誤で回答を探しました。
本稿は僕がセキュリティ業界に転職することを決心したときに欲しがっていたブループリントです。
転身までの所要時間
試行錯誤でなにを勉強すればいいかを理解して、 計画を立てて、在職中でしたので限られた時間を大事にして勉強して・・・転職活動を始めるに値するまで、1年間いかないくらいかかりました(次項にもう一つの理由があります)。
但し、僕は勉強の仕方自体がよく分かってなかったがために、最初からやり直しな感じでしたので、 余計に時間がかかった気がします(笑)
(どれだけ僕は学校をサボったか、知らない人が多い・・・)
1年間は長いようで短いようですが、 毎日やり続けるのはそれなりの志向が必要です。
PHP研究所の自己啓発セミナーでのしょうもない武勇伝になりそうですので詳細はカットしますが、 勉強できる時間が朝と夜の通勤と昼飯の間と考えれば一日約3時間を一時間ずつ勉強した感じです(夜の通勤の勉強はたぶん未意味でしたが)。
決してお勉強に適した流儀ではなかったですが、当時はそういった時間の使い方しか許せませんでした。
一点だけ僕がラッキーだったのは、仕事上で IT とウェブの知識を身につける必要があり、 目指していた知識に近いものに多少手をつける機会がありました。 ウェブマーケティング担当者(ワンマンオペ)として、ウェブサイトとそのインフラの管理や、 WordPress サイトを作成したり、運用したりして、多少 PHP 言語や MySQL データベース、いわゆる LAMP スタックを触る機会がありました(そして二度と触りたくないと確信しました)。
キャリアを長目で見よう
僕は飽きっぽいというほどではありませんが、 様々な物に興味を示し、 前のものを捨てて次から次へ行くような性格があり、 そもそもセキュリティのことを長いこと好きになれる自信がありませんでした。
そのため、1年の間に勉強をし続けることを自分と約束をし、もし続けられて飽きなかったら、業界に行こう!と考えました。
なぜ一年間という期間を選んだかは、正直よく覚えていませんが、 Azeria さんの記事(英)を読んでなんとなく1年間が良いんだろうと1。
当時の僕として、1年間はものすごく長い期間だなと感じましたが、 今になって(注意:おっさんな言葉がやって来る)あっという間でした。
年齢による時の速さの話はさておき、「キャリア」というものを考えて、意味のあるものに時間を注ぐことに損がないのです。
「今見たものがすでに古いニュースだ」という時代で、なにかに時間をかけてやるには大きな意味があると思います。 その気持ちを僕よりよっぽどにいい言葉で伝えられる Peter Norvig 氏の「プログラミングを独習するには10年かかる(和訳)」というブログ投稿の一読をおすすめします。 2001年に投稿されたにもかかわらず、 「広範な分野のいずれについても、専門技術を身につけるにはおよそ10年かかるそうだ」と唱える Norvig 氏の言葉は今の時代でもとても響くでしょう。
ぜひ一読してください。お待ちします。
読みましたか?はい。じゃあ、続けましょう。
「セキュリティの仕事に就きたい」と考えるあなたはこれからが長い道です。その心の準備をしておいてほしいです。
でも、その前、そして挫折する前に、努力する価値について書きます!
それでも価値がある
やる気を失うようなことを並べて申し訳ありません。(笑)
新しい技術が作られると共に、必ずしも突破方法が発見され、新たなサイバーセキュリティのスキルが生まれてきます。 仕事が尽きません。やった!
なお、「セキュリティ」と言っても様々な分野を指しますので、 自分が今就いている分野に飽きたとしても、別の分野に切り替えられます2。
人やシステム、基盤、場合によっては社会を守るために、合法的に"違法"3なことをする仕事ってなかなかないのです! 中々スリルがあります。 それってやり甲斐なのかもしれません。
また、セキュリティにはものすごい強くて親切なコミュニティ4があります。 「セキュリティの人です」というだけで世界中のどこでも迎えてくれるコミュニティがあるでしょう。 表現することが難しいですが、コミュニティが集まるセキュリティのイベントに参加すれば、その気持ちがわかります。 別途セキュリティ イベントの話をしますが、とにかく参加の機会があれば、参加した方が良いです。
最後に、もっとリアルな話をすると、この業界で今は大儲けです。 今5セキュリティエンジニアは需要が多い職種のため、 数回転職で4桁の年収を手に入れられるでしょう(大手、外資系やコンサルティング会社は1,000万円超がめずらしくありません)。 転職の際に+15-25%アップを交渉することは可笑しくありません。
なかなか人生を変える金額になるのですよ。
上記を読んで「やはり私は無理だわ」と思うあなたへ言いたいのは、志が「高い」とか「低い」という生まれつきのようなことなんてなくて、志を「高める」のです。
僕が言うのは極めて簡単なのはよく分かっています。
が、しかし、あきらめる前にやってみてほしいです。
質問があれば、僕に連絡していいです(※ 知り合いを除いてツイートと DM しか受け付けません)
Azeria さんは ARM のセキュリティの王女である。もし ARM に興味がありましたら、彼女を Twitter でフォローし、ブログをぜひ読んでください。 ↩︎
分野が多すぎて精神的に押しつぶされることがあるかもしれません。最後に分野を紹介してその贅沢な悩みを解決します。 ↩︎
少なくとも日本法律下では。もちろん、契約範囲で実施しましょうね ↩︎
残念ながら例外がありますが、親切な人が構ってくれることが多いです。 ↩︎
未来の人、こんにちは!このブログは2022年に投稿されており、当時の投稿者は予言の力を身につけなかったので、将来は状況が悪化したのかよくなったのかは分かりません。当時は売り手市場で給料の交渉はしやすかったです。 ↩︎